Pistolman’s Big half wallet
製作年度: 2021/8
素材:ヌメ革、シャンタン、金ピアス、ほか
◉革細工をやっていて、避けて通る事は出来ないアイテムとして筆頭に上がるのはなんと言っても財布であろう。と言うか財布を作らないレザークラフターってけっこう珍しいのではないかと思う。ぼくはその珍しい部類に属していたのだけれど、妻の財布が大分くたびれて来ているのを見ていて、カミさん孝行にと、少数派を返上して財布を作ってみる事にした次第である。
さて、作るからには大鼬鼠拳銃郎らしい財布を作ろうと思い、先ずは財布について色々と考えてみた。
そもそも昨今は電子マネー化が進んで、外出の際に現金を持っていなくても困らない世の中になってきている。この分野では日本は相当遅れていると耳にするが、それでもちょっとコンビニまで行く程度ならスマホだけ持っていれば事足りるし、ランチを食べに会社を出た後で財布を持っていない事に気付いても、スマホがあればまあイイやとそのまま出かけられるくらいにはなっている。
外出時の持ち物などと云うものは、少なくて、小さくて、軽い、に越したことは無いだろう。必要な物全てがポケットに収まってしまえば鞄も持たず手ぶらで出かけられるわけで、それが理想ではなかろうか。お尻のポケットにスマホ一台突っ込んで、なんの心配もなくどこにでも出掛けられたら最高である。うっかり忘れ物をする事もなくなるだろう。
今の日本ではまだそこまでは至らずとも、時代はそんな方向に向かって進んでいる、のは間違いない。
それが証拠に巷では「ちいさいふ」とか言って、お金は小さく折りたたんで入れるような不自由さがあっても、カードケースサイズにした財布なども多く出てきている様子だ。
そんなこんなで現金の重要性が下がっている時代に、財布の中に入れるべきものとは一体何か?
実はカードの類いは未だ持っていかなくてはならない物が結構ある。ポイントカードなどはアプリに移行してカードレスになったものもあるが、まだまだ店舗でスタンプを押してもらう物だって多い。個人経営のお店の殆どがそのタイプだろう。運転免許証や保険証、マイナンバーカードなどの身分証明も実物のカードで行う物しかほぼ無いし、クレジットカード、キャッシュカードもまだまだ実際のカードの方が主流だと思う。
と云うわけで、現金よりもカードが多く入る財布が望ましいと云うことは一つある。
それと、領収書やレシートも財布の中で結構嵩張るもの達だ。精算を月末まで溜めてしまうタイプの人は多いのではなかろうか。
私などはその月末の精算すら失念して、財布の中に数ヶ月分のレシートが溜まってしまい、精算忘れを悔やみながら処分する事が年中行事になっている。
そのほかに財布で嵩張るものといえば「お守り」と「硬貨」があるだろう。お守りというのは簡単には捨てられる物では無いので財布の中に溜まる一方だし、小銭も少しは持っていないと不安ではある。お釣りでもらう事もあるし。
うーん…。まだスマホ一台で全てが済むわけではないとなれば、腹を括ってスマホと財布だけで済ませるとした方が良いかもしれない。
となるとカードが沢山入って、領収書ポケットも大容量で、ちゃんと小銭入れがついているフルサイズの財布…いやそれでは心許ないから、メガサイズの財布が必要なんじゃなかろうか?今の時代の財布って!
と云う事で、時代に逆行した大容量のデカ財布を作る事にしました。
二つ折りタイプの財布としては見た事のない大型サイズになっています。
でも、なるべく財布は小さくしたいという時代のトレンドも尊重して、モチーフは小さくてカワイイ「イイダコ」で行きましょう!
●反対面はこんな感じで、ぱっと見は普通の二つ折り財布だけど…。
●妻の持ち物を並べてみる。上のiPhoneの二倍くらいの大きさ。
●広げたところもパッと見は普通。
●でも、上から見るとセンターポケットにカード入れがもう一列!
●真上から見るとこの厚み。ハンバーガーみたい。
●厚いので、自立します。
●留め具は差し込み式。
●小銭入れは大容量のボックス式。
●金色のカワイイ眼が金運を呼び込みそうなイイダコちゃんです。
タコ仲間と2SHOT →12アングリー・オクトパス