◉今回は娘に作ったスマホケースです。パーツの切り出しくらいまでは妻に作った拙作「死者のスマホ」と同時進行で制作をしていました。それは何故かと言う話です。
僕は今まで、皮革の仕入れをどうしていたかというと、東急ハンズでハギレのアソートからスタートして、通販サイトを利用する様になり、そこで床革を初めて知った程度でした。妻に勧められて初めて日暮里の革屋さん街に行ったのがこの作品達の時でした。面白かったなぁ。全然予備知識が無いので、革紐ばっかり売ってる店とか、金具が充実している店とか、ワニとかエイとかも初めて見たし(ホンモノは見たことあるけどね)。
ある店で妻と娘が好きな革を選び、その革でスマホケースを作ると約束したのでした。まぁ、いつもの通りでモチーフは独断で決めましたけど。
今回でスマホケースも4つ目、今回のテーマも4つ。
1.指を引っ掛ける為のリングがちゃんと収納されて、デスクに平置き出来ること。
2.縫い止めた パーツの真ん中が“プクッ”と膨らむ様にアンコを入れる事。
3.木象嵌のパーツを使う事。
4.天地をびっくり変えても成立する絵柄にする事。
さて、デザインの時間です!
1. ネットを探していてこの金具を見つけた時は、ちょっと飛び上がるくらい興奮しました。思い描いていた形にあまりにもピッタリだったから。回転はしないけど斜め45度のリングであれば左右どちらの指にも掛かるのではとの狙いです。
●立てた状態。首輪に見立てています。金具も作れば良いのでしょうが、それはもう暫く後にします。
●3. 異素材ミックスも大好物です。木工やってて革細工始めたのだから、これを混ぜない手は無いです。革に金属だとどうしてもバイカーみたいなイメージですけど、木が入るとナチュラルでモダンな方向に少し戻してくれます。それにしても革細工って、木工と裁縫の真ん中位にある気がしますね。
●2. 革細工って曲面の立体感があるのが好きなところです。糸で縫い引き締められた事で盛り上がる曲面。その緊張と緩和の対比こそが革細工の魅力だと思います。今回は頭頂部の曲げ加工の所にも床革のアンコを入れてプクッとした丸みを持たせています。
4. 僕自身がトカゲのスマホを使っていて、下部のリングをすごく便利に感じています。フックに引っ掛けて音楽を聴いたり、ポケットから引っ張り出すのもこのリングを利用します。ぶら下げると使用時と天地がひっくり返るので、どちらの状態でも成立する絵柄にしました。
●モチーフは蛇です。ヨーロッパの紋章にありそうな蛇。シマシマ螺旋のマンバ。天地どちらでも見えるでしょう?
でも逆位置だと数字の2にも見えませんか?そう聞くともう“2”にしか見えなくなります。そういうものです。