作品名: スマホマン
iPhone XジャケットFace1901
製作年度: 2019/01
素材:ヌメロ、アバルト、黒檀、ウォールナット 他
◉とある雨の降る寒い夜の事でござました。そろそろ店仕舞いにしようかと腰を浮かした所にそのお方はやって来たんでさぁ。
「おいあんた顔色が真っ青だよ。大丈夫かい?
寒かったろう、こっちに来てあったかいものでも飲んでいきなよ。もう閉めるとこだったけどまだ平気さ、燗でも付けようか?」
「大丈夫だって…?それなら良いけど…真っ青な顔してるから心配しちまったよ。」
「えっ?寒いからじゃあ無くて、元々の顔色なの?あぁそうなんだ、そう言えば黄色とか緑の模様も入ってるねぇ。あっあれか!サッカーの応援的なやつか!」
「全然違う?まぁいいや、外は凄ぇ雨だ、止むまでゆっくりしていきなよ。丁度暇だったんだ、お茶ぐらい出すよ。」
「お客さん、よく見ると日本の人じゃあないね。外国の人だろう?いや言うな言うな、当てるから。うーんと…。」
「鼻に付いた輪っかのピアス、顔のペイント、そこに加えていかりやの長さんを思い出させる下くちびるの出具合、これはもう決まりだ、アフリカ方面のお方でしょう!間違い無い!」
「違うの…、神奈川県の、逗子。あぁそう。結構近場だったね…。そりゃあ日本語上手い訳だなぁ、俺ぁ外国の人なのに日本語ペラペラだから大したもんだって感心してたんだけどなぁ。こっちとら自慢じゃあねぇがそっちの方はからっきしだから。」
「エッ、英語は喋れんの?フランス語も?アラビア語も?それだけじゃあ無い?ヘェ〜そんな何十ヵ国もの言葉を扱えるんだ、そりゃスゲェ。なるほどそうか、あんた翻訳の専門家なんだね?違う?他にも色々出来る?例えばなんだい?」
「写真の撮影や現像、文章も書ける、絵も描ける、音楽も奏でる、関数計算が得意、手紙も配達する、買い物の注文も出来る、道案内はする、映画も上映する、ゲームも出来る、電話もかけられる…
ちょっちょっと待ってくれ!電話ぐれぇは俺でもかけられるけど、それにしても凄え能力だ、こんな凄い奴ぁ出会った事がねぇよ!」
「そうだ!俺と組んでなんか商売を始めようじゃねぇか!あんたみたいになんでも出来たら皆、驚くの通り越して感激するぜ!
エッそれはダメだって?
一体なんでだい!?」
スマホだけに…感激(観劇)中はオフにされちゃう。
お後がよろしいようで…。
●家族四人分のスマホケースを作ってきて最後は息子用です。iPhone Xのケースは自身で使用しているトカゲのスマホで製作済なので採寸はしなくても大丈夫。今回のモチーフは顔。スマホケースも今回で五つ目、いよいよ作りたかった顔をモチーフに作る事にしました。
●人間の顔を作るのは、ちょっとだけ勇気と言うか思い切りが必要に感じますね。なんでですかねぇ。
●今回は贈答用の「箱」も作りました。と言ってもダンボールですが、それでもプレゼントにはパッケージが大事ですね。留め具は「クワガタ捕まえた」のボタンの余りを使用しました。
●鼻ピアスには種類があって、穴と穴の間に付ける輪っかを「セプタム」。小鼻に開けるのが「ノストリル」と言うそうです。どちらも風邪をひいた時には支障がありそうですね。
●この鼻の輪っか「セプタム」は持った時のホールドがしやすいのは勿論ですが、ムービー閲覧時にはスタンドとしても機能します。
●裏面にはトカゲのイメージを入れたのですが、ちょっと太り過ぎでしたかね。
●眼球は二色のクルミと黒檀。目蓋で表情を付けます。こう言う所は型紙は作らず、その場の雰囲気で決めています。
●ハトメが付いている部分は顎にあたるので、無精髭のイメージでコバの外側に巻き付ける縫い方にしています。
●今回も縦開きですが、内側の革を赤いアザルトにした事でアダルトな雰囲気が高まりました。一枚収納のカードケースにはスリットを付けてカードを取り出しやすく変更しました。
●くちびる。触ってみたくなる質感。
●セプタムをスタンドに使用したところ。