製作年度: 2021/01
素材:エルメスオレンジレザー、アバルトレッド、ウェンジュ他
◉私の子供の頃に放送されていた特撮ヒーロー番組と言えば「仮面ライダー」と「ウルトラマン」。
私はヒーローよりも敵役の方がデザイン的に好みだった様で、毎回新しく登場する怪人や怪獣達が楽しみで、夢中になって見ておりました。
好きだったのは「仮面ライダー」シリーズで、1号、2号、V3の頃。
この三人のライダーは物語的に割と色濃く繋がっています。敵となる悪の組織はショッカからゲルショッカー、そしてデストロンへと変遷して行きますが、首領が同じ方(虫?)なんですね。首領は動物や昆虫なんかと人間を掛け合わせた改造人間を使って世界征服を企みます。この改造人間の見た目が気持ち悪くて、子ども時代の私のココロにザクっと刺さりました。“蜘蛛男”に“サソリ男”などの怪人は大きさが人間サイズだったからなのか、ウルトラマンの怪獣よりもリアリティがあって、それはそれは怖かったのを覚えています。
首領は仮面ライダー1号と2号に中々勝てない「ショッカー」を見限って、パワーアップした組織「ゲルショッカー」を作ります。怪人もパワーアップして“イソギンジャガー”や“クラゲウルフ”など人間と合成する動物類が一種類から二種類に増えました。ところが、結局ゲルショッカーもWライダーに壊滅に追い込まれてしまいます。
そこで首領は次なる強力な組織「デストロン」を立ち上げます。今度の怪人はなんと、動物に加えて機械も入った合成改造人間!“カメバズーカ”と“ハサミジャガー”が最初の登場したときは、確か仮面ライダー1号2号が歯が立たない程強かったと思います。“カメバズーカ”はカメとバズーカと人間の合成怪人で、武器が入ってますからそれは確かに強いだろうと思うのですが…、“テレビバエ”などはハエの怪人の目がテレビモニターという造形で、デザイン的には初期の怪人の気持ち悪さがすっかり無くなって、ちょっとひょうきんな感じさえ漂っていました。今風に言えば、陽キャっ言うんですか?ちょっと違う?。ともかくその頃かな、自分がちょっと大人になったと感じたのは…。
さて、今回の作品のモチーフは“ウツボ”です。海のギャングと異名を取る凶悪な魚ですが、今回はその肉食のギザギザの歯をファスナーで表現していて、引き手に付けた革の輪っかが指掛けになっています。デストロン風にネーミングをすれば、差し詰め「怪人ウツボチャック」と言うところでしょうか。陽キャだけど実力がある怪ケースなのです。
●毎回考えるのはスマホをホールドする部分。リングが一般的だけど今回はファスナーの持ち手を輪っかにするアイデアを思いつきました。
●ファスナーの引き手の輪っかは、センターワンラインの縫い目がアクセント。
●レンズ部分の開口が大きくなったので、エッジ部分の寸法には神経を使います。あまり攻めすぎると強度が足りなくなってしまうので。糸のカラーを複数使ってポップな感じに。
●裏面はシンプルに。いくつか作ってきて、カード入れが必要なければ、何も無い背面が好きになりました。オレンジの革と水色の糸の組み合わせ。
●今回はウツボの肌感に丁度良い革を見つけたので即採用。当初はウツボの縞模様をパッチワークで表現しようかと構想してました。そのバージョンも作っても良いかもね。
●ベースボディ部分のコバは前作まではヘリ返しでしたが、今回はコバ磨き処理に変更しました。この方がスッキリした印象かな。
●赤い内革。スマイルフラップのカードケース付き。
●サクッと横位置で立てられるのも中々便利です。Movie観る時も、写真撮る時も。
●このケースは娘の為にデザインしました。
●